「年収の壁」パート女性6割が就業調整

本日新聞の記事になっていましたが
野村総合研究所は9月、配偶者のいるパート女性の就労実態と働き方に関する意向調査を行った結果、「年収の壁」を越えても「働き損」にならないなら年収が多くなるように働きたいと考える人が8割近くいることがわかったと発表しました。
年収の壁とは・・・
年収が103万円を超えると世帯の税負担が軽くなる配偶者控除が受けられなくなる
2022年10月から従業員が101名以上の事業所では月額賃金8万8千円(年約106万円)、その他の事業所では、年収130万円以上になると、社会保険料の負担も生じる
社会保険を含めた控除額は、15%から20%、手取りが減ることになります
保険料支払いは将来の年金が増えるといったメリットもあるが、手取りが減ることへの抵抗感は根強い。女性の社会進出を妨げ、労働力不足の一因とも指摘されている
同研究所の担当者は「働く意欲を阻害する現在の制度は改善が急務だ」と指摘している。と発表しました

パートで働かれる人の多くは、扶養の範囲内で働きたいと思っている
これは就職相談室でも多く聞きます
先日応募書類支援をしていると、扶養の範囲内で働き1日6時間程度働きたいと記載していました
求人票の雇用条件に合わせて計算してみると、年間130万円を上回り二つの条件は成立しません
今後も最低賃金はどんどん上がっていくことになると思います
雇用保険の条件である週20時間勤務をすると、年間130万円を超えるという事態にも近いうちになると思います
制度の改善が行われるのか?
何れにしても、自分の働き方について考える時期がすでに来ている気がします

残業代と固定残業代

求人票に固定残業代「なし」って書いてあるんですが
残業しても時間外手当つかないんですか?という質問を受けます
求人票の「時間外労働時間」と「固定残業代」
文言はちがうし、記入欄も違うし
確かにわかりづらいですよね

残業勤めている事業所で決められている「所定労働時間(就業時間)」を超えて働いた場合に支払われる賃金が残業代です。
法定労働時間(1日8時間・週40時間)」を超えて勤務すると割増賃金が変わってきます
固定残業代実際の残業時間に関わらず、一定時間分の時間外労働、休日労働、深夜労働に対して毎月定額の残業代を支払う制度です
ハロワークの求人票では3賃金・手当の欄の(C)になります
固定残業代が付いているからと言って何時間でもOKというわけではありません
固定残業は「固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法」及び「固定残業時間を超える時間外労働・休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨を必ず記載」するようになっています

固定残業は、毎月の賃金に含まれていてあらかじめ「〇時間分」と定められているもの
残業は、毎月計算して支払われるものと判断でいいと思います

またもや労働法

最近の相談の中で、労働法で定められている内容を知らなかったったという場合が多々あります
相談事例とともに記載したいと思います
〇有給休暇について
有給休暇は正社員のところしかないんですよね
有給休暇があるところに働きたいと考えている
労働基準法第39条
所定労働時間が4日以下で、週の所定労働時間が30時間未満の場合は、その所定労働日数に応じた日数の有給休暇が付与されます。
正社員以外の働き方をしている労働者でも、①6ヶ月間の継続勤務②全労働日の8割以上の出勤③週5日以上の勤務という3つの要件を満たせば(※)、有給休暇は正社員と同じだけ付与されます

〇労働条件が違っていたら
正社員の求人、試用期間は2か月でその間の条件は一緒と書いてあったのに
いざ働きだすと、半年間はアルバイトと言われた
労働基準法第15条
実際に労働条件が違っていた場合には、労働者は約束通りにするように要求できますし、そのことを理由にすぐに契約を解除することが認められています
〇労働条件通知書をもらっていない
採用されて働き出して10日程度たつけど、労働条件に関して明示がない
労働基準法第15条
労働契約を結ぶときには、会社が労働者に労働条件をきちんと明示することを義務として定めています。
さらに、特に重要な次の6項目については、口約束だけではなく、原則として書面を交付しなければいけません

〇65歳以上と65歳未満の雇用保険
65歳になると雇用保険は変わる・・・?
雇用保険法第37条
65歳以上で退職された方は高年齢求職者給付金を受給となり失業保険は受け取れません
なので、65歳上になると受給できる金額はかわります

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企業が求める人物像

帝国データバンクが「企業が求める人材像アンケート」調査結果を発表しました
アンケート期間は 2022 年 9 月 2 日~5 日、有効回答企業数は 1,550 社(インターネット調査)です
中小企業では、60%が中途採用メインの採用形態
小規模企業では、63.5% が中途採用メインの採用形態 だそうです
中小企業に、中途採用の採用活動において、どのような人材像を求めているかを尋ねたところ
1、コミュニケーション能力が高い(41.2%)
2、意欲的である(41.8%)
3、真面目、または誠実な人柄である(34.6%)
4、素直である(33.6%)
5、専門的なスキルを持っている(24.4%)
が上位となったそうです
面接を重視されそうですね、ヒューマンスキルは自己理解の推進が重要になりますね
自分の長所は何か、短所を補うためにどのような行動を行っているか
これまで何を頑張って来たのか、これから何を頑張りたいか
志望動機は何か、これまでの自分のスキルをどのように活かしていくのか
働く上で自分が大切にしていることは何か
こういうことを自分に問いかけること、また他者に投げかけてフィードバックをもらうことが重要になりそうです
専門的なスキルでは、職業訓練を選択するのもひとつだと思います
アンケート結果を参考に考えてみるといいですね



多様な働き方

人生100年時代になり、私たちに仕事、余暇を含めて多くの時間を使えるようになりました
このような環境で働き方も選択できるようになっており、多様な働き方の選択も出来るようになりました
多様な働き方はよく耳にしますが「正社員」「パート」「派遣社員」など聞きなれた言葉以外に具体的にどのような項目があるのでしょうか!

これらの働き方には労働法の対象にならないものもあります、自分でよく理解し選択することが重要です

働き方説明
フリーランス実店舗がなく、雇⼈もいない⾃営業主や⼀⼈社⻑であって、⾃⾝の経験や知識、スキルを活⽤して収⼊を得ること
副業
兼業
2つ以上の仕事を掛け持つこと
企業に雇⽤される形で⾏うもの(正社員、パート・アルバイトなど)、⾃ら起業して事業主として⾏うもの、コンサルタントとして請負や委任といった形で⾏うものなど、さまざまな形態がある
週3正社員
週4正社員
週に3⽇あるいは4⽇など正社員で働くこと
時短勤務⼀⽇の労働時間を短縮して働くこと
セカンド・ライフ本業を早期に引退して余暇を楽しむこと
リモート・ワーク
テレ・ワーク
会社や組織に出勤せず、⾃宅等の場所でオンラインで働くこと
パラレル・キャリア本業を持ちながら、第⼆の活動をすること。兼業・副業
プロティアン・キャリア 環境の変化に応じて⾃分のキャリアを柔軟に変化させること
ワーケーションリゾート地などで、休暇を兼ねて働くこと
リカレント教育学校教育から離れたあとに、それぞれのタイミングで学び直し、仕事で求められる能⼒を磨き続けるための社会⼈の学び
越境学習⾃分の専⾨である職場や組織を超えた学習を仕事に活かすこと
ギグ・ワークインターネットを使い、必要なときに必要なだけ働くこと
(オンラインレッスン・トレーニング、コンサル、配達代⾏、家事代⾏、単発バイトなど)

対話の重要性

『対話型支援』について学んだことを共有したいと思います
対話=対『聴』
このホームページでも何度となく書いてきた「きく」こと
「きく」には以下のバリエーションがあるそうです
1、きいていない
2、きいているようで、きいていない
3、ちゃんと⽿を傾ける
 ・ 判断しながら「聞く」
 ・ 判断を留保しながら「聴く」
 ・その他・・・
「聞く」と「 聴く 」

「きく」に判定が入ると「聞く」になる!
事例をあげると
「やっぱり⼦どもには⼩さい頃から英語を学ばせるべきですよね!」
と話しかけられたときに、
「聞く」は「そうですよね、私もそう思います」と「私も!」と強い共感か、否定
「聴く」は「そういうお考えなんですね。そう思った背景を教えてください」と「なるほど!」という「弱い共感」

ではあらためて「対話」とはなんでしょう
一橋大学大学院特任教授 伊藤氏は
「対話と会話は異なります。会話が価値観の共有を前提としているのに対し対話は価値観が異なるかもしれないことが前提です」と言われています
⽇本アスペン研究所の著書には
会話は、「そうそう!同じ同じー!」の共感ベース
対話は、相⼿と価値観が違うことを前提に語り合い、⾃分⾃⾝の考えや価値観への理解を深めることに向かうもの
と言われています
なぁんとなくわかりますか
まだまだ書きたいことがたくさんあるので、改めて共有します

職業人講和

8月23日に求職者を対象に職業人講和を開催しました

4社の予定でしたが新型コロナウイルスの影響で3社になったことは残念でしたが
皆さんとてもいい話をされたのでその内容を共有したいと思います
少し長いですが、ぜひ読んでみてください

【社会で求められる人材】
○「エンプロイアビリテイ(雇用される力)」を高めること
(求められるポイント)
・すぐ投げ出さない ・常に努力、自己啓発 ・自発性を持つ ・チャレンジ意欲がある
(求められないポイント)
・言われるまで指示待ち ・楽をする ・社会人としてのマナーができていない
【仕事に対する考え方】
考え方×熱意×能力
掛け算なのでどこか一つでも「0」があってはダメ
大きく下がる
正しい考え方とは、人間として何が正しいか・・・正直であれ!うそをつくな!ということ
【三間(さんま)】
三間とは、仲間、空間、時間
同じ時間を共有する、同じ空間で時間を過ごす中で仲間ができる
たくさんの空間を持つことで、ライフとワークのバランスを保つことができる
【おもてなしとは】
自分が「うれしい」と感じたことを相手に提供する
「相手が何をしてほしいのか」相手を思いやる気持ち、相手がうれしいと自分もうれしいと感じる心
おもてなしの5原則:表情、立ち居振る舞い、身だしなみ、挨拶、言葉遣い
身だしなみ:3原則「清潔」「上品」「控えめ」
【働き方生き方】
男女平等共同参画の時代、男性・女性の区別なく働くことができる
置かれた環境の中で、もって生まれた資質に加えて、これまでの教育やご自身の考え方で選択することができる
その人それぞれが経験してきたものは、企業にとって大きな力になる
自分の能力を正しく把握すること(引き算で考えられる力)が重要
自分を飾った言葉で伝えないこと、自分のよいところを認める、褒めること(自己理解)が大切

仕事を辞める前に・・・

就職相談室には、退職を決定して来られる方が多いいのですが
すぐに再就職先を探そうと思われている方が多いいです
しかし実際には有休消化中だったり
失業保険を申請しよう(再就職手当を受給したい)と考えてたり
すぐに再就職できない事例がよくあります
そこで事例を挙げて説明したいと思います
Aさんの場合
8月23日現在 有休消化中
  ↓
9月30日 有給満了 退職日
  ↓
10月14日~21日(概ね2週間程度)離職票が本人に届く
  ↓
ハローワークに求職登録と失業保険の手続き
  ↓
提出後7日後 待機期間



自己都合、会社都合によって失業保険が支給されるまでの待期期間は異なりますが
ここまではほぼ同じ流れになります
ということは、8月23日現在有休消化中であっても
再就職先で働き始めるのは最短で、11月初旬になります
この説明をすると相談者の皆さんは、えーーーーーーーーと言われます
では何を考える必要があったのでしょうか
自分がすぐに再就職したいと考えられる場合
①有給取得後に退職するか否か
②失業保険の手続きをするか否か
私たちは基本的に失業保険の手続きをすることを勧めます
ただそれも含めて自分でよく考えて退職までの道のりを決めるといいと思います

叱るのは何のため?

叱ると怒るの違いが判りますか?
「怒る」とは怒る側の感情をぶつけること
「叱る」とは相手へのアドバイスだと言われています
怒っていませんか?きちんと叱れていますか?

「何のために叱るのか?」というワークショップをしたところ下記の意見が出てきました
〇相手を思って、優しく正すため
〇相手の行動の良くないところを指摘し、その行動により不快感を抱く人を増やさないため
〇共感してほしいから
〇命とか大事なものを守るため
〇同じことを繰り返さないように
〇間違えていることに気づき正しくするため
〇相手に対する善意

お盆の時期、長期休暇を取っている方も多いかと思います
この機会に自分の怒り方(叱り方)を見つめてみるのもいいかもしれません

令和4年度最低賃金額改定の目安について

8月2日付で第64回中央最低賃金審議会で地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられたと発表がありましたね
報道等で耳にしている人もあるかと思います
都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をABCDの4ランクに分けて、引上げ額の目安が出され
山口県はCランクで30円の引き上げ目安となっています
今年度の最低賃金が857円(28円UP)ですのでこのまま進めば最低賃金は887円になります
引き上げ率に換算すると3.3%の引き上げ昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となったそうです
8時間勤務で月20日働いたとして年間で5万7600円のUP
6時間勤務で 月20日働いたとして年間で4万3200円のUP
になります、130万円の壁には通勤費等の手当ても含まれます
さぁどのような働き方を選択しますか
考え始めてもいいころだと思います

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